脳血管疾患・心疾患・精神障害等 過労死・後遺障害の労災・損害賠償手続きマニュアル


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過労死・後遺障害・脳・心疾患の労災・損害賠償手続きマニュアル
(マガジンID:0000147867)

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■業務起因性の認定

労災とは、『労働災害』を略した言い方です。労働災害と言う以上は、その疾病が「労働していて発生した災害」でなくてはなりません。

言い換えれば、元々心臓が弱い人がたまたま仕事中に心筋梗塞によって亡くなったということまで労災認定されるわけではありません。こういうものまで労災に認定すると、猫も杓子も認定されてしまい、本来の労働者救済という主旨に合わなくなります。過労死・後遺障害等の労災認定が難しいのも、この『労働災害』の立証が大変難しいという実情があってのことなのです

過労死や後遺障害の原因となった疾病が仕事に起因して発症したものかどうかをこれまでみてきた認定基準等で判断していくことになります。
これを今回のテーマである『業務起因性の認定』といいます。

お話したように、申請された労災事案の認定については、業務起因性があったかどうかが焦点となります。
業務起因性とは、申請された疾病が仕事によって発症または増悪したものかどうかをみるものです。この業務起因性が成立するための第一次的な条件として『業務遂行性』がなければならないとされています。

『業務遂行性』とは、従業員が労働契約に基づいて事業主の支配下にある状態といいます。

申請された労災事案の認定については、業務起因性があったかどうかが焦点となります。
業務起因性とは、申請された疾病が仕事によって発症または増悪したものかどうかをみるものです。

分かりやすくいうと、例えば、仕事中に誰かに殴られた(私的怨恨によるものを除く)とか、切削工程で指を落とした、とかいった外傷は(通常は)、業務起因性があるといっていいでしょう。

ところが、過重労働による過労死や脳血管疾患、心疾患、精神障害等は、「外傷」という一見して分かりやすいものではなく、既往歴が高血圧であったとか、糖尿を患っていたとか、プライベートなことでは最近離婚したとか、家族が亡くなったといった精神的負荷なども総合勘案して業務起因性を判断します。そこで、業務起因性を立証するために膨大な資料を用意することになるのですが、それは次項以降で解説するとして、ここでは、業務起因性の認定要件について先に解説していきたいと思います。

 

業務起因性の認定要件は、次の3点が判断基準として示されています。

  脳血管疾患・心疾患の業務起因性の認定要件
    @異常な出来事があった。
    A短時間の過重業務があった。
    B長時間の過重業務があった。

脳血管疾患・心疾患の場合は、@,A,Bのいずれかに該当すれば業務起因性が認められることになっています。
これを図で描くと次のようになります。

 

 

   

上図で示したとおり、次の業務による明らかな過重負荷を受けたことにより発症した脳血管疾患・心疾患が認定の要件となります。

    @発症直前から前日までの間において、発生状態を時間的及び場所的に明確にし得る異常な出来事(以下「異常な出来事」という。)に遭遇したこと。
    A発症に近接した時期において、特に過重な業務(以下「短期間の過重業務」という。)に就労したこと。
    B発症前の長期にわたって、著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務(以下「長期間の過重業務」という。)に就労したこと。
     
  精神障害の業務起因性の認定要件
    @判断指針で対象とされる精神障害を発病していること。
    A判断指針の対象とされる精神障害の発病前おおむね6ヶ月の間に、客観的に当該精神障害を発病させるおそれのある業務による強い心理的負荷が認められること。
    B業務以外の心理的負荷及び個体側要因により当該精神障害等を発病したとは認められないこと。

 

 

用語説明

    「業務による明らかな過重負荷」とは?
    ⇒「業務による明らかな」発症の有力な原因が仕事によるものであることがはっきりしていることをいいます。
    「過重負荷」
    ⇒医学経験則に照らして、脳疾患の発症の基礎となる血管病変等をその自然経過を超えて著しく憎悪させ得ることが客観的に認められる負荷をいいます。
 

上記に挙げた3点の業務起因性の認定要件は後に詳しく解説します。
いずれにしても、過労死・後遺障害で労災の認定を勝ち取るためにはそれなりの認定書類を作成するとともに、速やかに証拠を保全する必要があります。
もしこのような状態であれば一刻も早く当職へご連絡ください。

     
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 社会保険労務士 八木 昌孝

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