労災補償状況
労災に認定されるか否かでご本人やご遺族の人生設計は大きく変わります。ここでは、どれだけの労災申請に対して、そのうち何件が認定されるのかを直近8ヶ年における労災補償状況をみて解説していきます。
下表は直近8ヶ年における労災の補償状況です。東京都と全国の請求件数に対する認定件数を示しています。平成13年は、14年以降と比べて著しく認定件数が少なくなっていますが、これは平成13年12月に労災の認定基準が改正され、旧認定基準と新認定基準が混在しているためです。
平成13~20年度における脳血管疾患及び虚血性心疾患等(「過労死」等事案)の労災補償状況
- 認定件数は当該年度に請求されたものに限るものではない。
- 平成13年12月に脳・心臓疾患の認定基準が改正されている。
- 直近の平成20年度の認定率は、東京で49%と前年度比6ポイント増加しているが、全国平均の認定率は、35%と前年度比7ポイントの減少で振るわない。
- 大阪の平成20年度の請求件数は105件、認定件数は38件であり、認定率は36%とかろうじて全国平均を上回る程度。
- 認定率は、平成13年の新基準導入後も一進一退を続けている。
- 脳・心臓疾患に係る請求から認定までの平均処理期間は7ケ月(全国平均8ケ月)となっている。
表中の請求件数は、その年度に請求された件数ですが、認定件数は、必ずしもその年度に請求されたものではなく、前年度以前に請求されたものを含んでいます。
平成13年12月の認定基準改正により、年々認定率は上昇傾向にあるとはいえ、請求件数の半分も認定されていないのが現在の状況です。
次に、上表をグラフで示してみます。
東京都労働局管内 脳・心疾患の労災補償状況
全国労働局管内 脳・心疾患の労災補償状況
出典:東京都労働局
これをみれば認定率をあげるためには、客観的に立証し得る書類の整備が非常に重要ということが分かると思います。明らかな外傷による労災申請とは違い、脳血管疾患・心疾患・精神障害等は、その立証が大変難しく、被災者側が立証したものと思っても客観的でないとの理由から認定されないケースが多くあります。
では、国側は申請された労災事案をどのような基準によって、どのように認定するのか、次項に解説のバトンを渡します。